ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

2023-01-01から1年間の記事一覧

映画感想『イングロリアス・バスターズ』

イングロリアス・バスターズ タランティーノ。面白い。わりと長めの映画だけれど、それでも強引に話を詰め込んでいて散らかっているような気がするが、その強引さもまた楽しい。ナチのかっこよさってナチがビジュアル戦略ゆえ、それに乗っかってしまっている…

信仰と使命、蘇る名探偵 映画感想『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』

主演・監督をケネス・ブラナーが務めるエルキュール・ポアロシリーズの第三弾。 ハロウィーン・パーティが原作だがかなり大きく改変しており、とある家に降りかかる呪いと引退したポアロの復活を描く物語になっている。ポアロ引退ネタを絡めて作り直した翻案…

書くしかない。 劇団肋骨蜜柑同好会『象牙の塔(がんばったがダメ)』 ※ネタバレ

劇団肋骨蜜柑同好会の公演『象牙の塔(がんばったがダメ)』を観たので感想を書きます。『塔をたてる』という二本立て公演の一本。残念ながらもう一本は観られず。 1947年、後に田瓶市と呼ばれる土地。デビュー作の上梓以降執筆が止まっている作家・清田洞翁…

メイヘムが世界を壊してくれなかった時代に贈る惨事 小説感想『インヴェンション・オブ・サウンド(チャック・パラニューク)』

ランキング参加中読書 ファイトクラブのパラニュークの小説。翻訳が出るのは久々らしい。私はファイト・クラブしか読んだことのない典型的なにわか。 すげー小説だった。みんな読もう。以下、結末を含めたネタバレあり。

映画感想『アステロイド・シティ』※ネタバレ

ウェス・アンダーソン監督最新作『アステロイド・シティ』を観ましたので感想を。以下、ネタバレあり。

青臭く美しく痛々しい恋と、根性論 映画感想『アリスとテレスのまぼろし工場』※ネタバレあり

ランキング参加中アニメ 岡田麿里監督第二弾アニメ映画。制作はMAPPA。 岡田麿里が好きな人は絶対好きな映画で、あとたぶんここ二作くらいの新海誠作品が好きな人も好きなんじゃないかと思いました。それと、美術がめっちゃ綺麗なので劇場でみる甲斐がありま…

映画感想『MEG ザ・モンスター2』※ネタバレ

MEG2:The Trenchを観たので感想を書きます。ネタバレあり。 面白かったところもあり、つまんなかったところもあり、でも鮫とステイサム観に行ってんだから話が面白くなくても観るべきもんは観たかな、みたいな感じです。 以下、ネタバレあり。

ソシオパスなファム・ファタル萌えなのかこの作家 読書感想『アリスが語らないことは(ピーター・スワンソン)』※ネタバレあり

ピーター・スワンソン著『アリスの語らないことは』を読んだので感想を。創元推理文庫から。 原題は「All the beautiful lies」全ての美しい嘘、だそうです。原題のが作品に合っているような、邦題の方が物語の芯の部分をぼかして想像を働かせるような、どち…

なんて幸せな映画なんだ 映画感想『メタモルフォーゼの縁側』

映画『メタモルフォーゼの縁側』を観たので感想を。 75歳の老婦人・雪は書店で見かけた漫画の表紙を気に入って購入。その本がBL漫画だったことからBLにハマった雪は、書店で働くBL好きの高校生・うららにおすすめのBL本を訪ねたことをきっかけに交流を深めて…

映画感『JUNK HEAD』

全編ストップモーションの映画『JUNK HEAD』を観た。 アニメも一枚一枚が絵だし、CGだって別にぽんとボタン一つで生成できるわけがなく、手書きアニメにしろCGアニメにしろ人間の気が遠くなる努力のせいかだということは間違いないのに、ストップモーション…

悪趣味ギャグが好きな人はアマンダ・ウォラーに感謝すべき 映画感想『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』

ジェームズ・ガンの『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』を観たので感想を。

前半が好きでラストはがっかり。 ドラマ感想 『何かおかしい』

ドラマ「何かおかしい」を観ました。以下、感想。ネタバレありです。 雨穴がオモコロでやって、さらにYouTubeでもバズった人気企画をドラマ化。面白かったのだが、しかしドラマ化する過程でわかりやすくしたり無理やりワンシチュエーションドラマに置き換え…

考察系ホラードラマのいい変化球 ドラマ感想『この動画は再生できません』※ネタバレ

TVKで放送されていたテレビドラマ。コント師かが屋が主演。テレビ神奈川はなんでこんなにかが屋が好きなんだろうか。 9月から第二シーズンが始まるそうで、その前にと視聴。非常に面白かった。 以下、ネタバレ。

懐かしさで真っすぐ読めない。 読書感想『キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘』

まさかまさかの戯言シリーズ最新作『キドナプキディング 青色サヴァンと戯言使いの娘』を読んだので感想を。 十代のころ清涼院流水にハマり、氏が帯を書いているというだけの理由でクビキリサイクルを読んだのが始まりなので、思いで深い。久々の新作は楽し…

画面の芝居が凄い 映画感想『search/サーチ』 ※ネタバレ

search/サーチを観たので感想を。結末までネタバレありですので、未見の方はご注意ください。

樋口円香vsお祭り男 【キン・コン】樋口円香 コミュ感想

シャニマスのS-SSR【キン・コン】樋口円香をプレイしたので感想を書きます。 ネタバレがありますのでご注意ください。 話は変わりますが、現在開催中のSSR28.3%ガシャで一枚もSSRが出ていません。こんな恐ろしいことがあっていいのでしょうか。

ストレイライト in ハワイアンズ THE IDOLM@STER SHINY COLORS "CANVAS" 05

THE IDOLM@STER SHINY COLORS "CANVAS" 05を聴いた。つまり、シャニマスのストレイライトの新譜を聴いた。感想を書く。 ソロライブの愛依サマ、ちょっと声優アイドルライブでは感じたことがない圧倒される感覚があって、とんでもねえパフォーマンスでしたね。

仮面の下の涙を拭い続けると心を壊すからやめよう 観劇感想 トローチ第6回公演『熱く、沼る』 ※ネタバレ

声優としても大人気の東地宏樹らの劇団トローチ、第六回公演を観劇。赤坂レッドシアターにて。 非常にいい劇だった。名優揃いで、生々しい質感のキャラと物語を見事に演じている。あまりにリアルで、観ていてしんどかったくらい。丁寧で静かで、とにかくいい…

孤独を求める殺人鬼が孤独に刺される圧倒的な物語 読書感想『そしてミランダを殺す(ピーター・スワンソン)』※ネタバレあり

ピーター・スワンソン著の小説『そしてミランダを殺す』を読んだので感想を。 以降結末までのネタバレが記載されています。

フィクションが作家を永遠にする 読書感想『アーカム計画(ロバート・ブロック)』

アーカム計画を読んだ。クトゥルフものの傑作と名高い一作。絶版。 結末までネタバレあり

真面目に中二病によりそう作品は稀な気がする 読書感想『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜(田中ロミオ)』

AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜を読んだ。2008年、ガガガ文庫より刊行。作者は言わずと知れたエロゲーライター田中ロミオ。ガガガは初期にはエロゲーライターを積極起用していた(というか、一時のラノベ・アニメ業界は積極的にエロゲーカルチャーから人を引…

去り行く創作者の祈り 映画感想『君たちはどう生きるか』 ※ネタバレ

宮崎駿監督最新作「君たちはどう生きるか」を観たので感想を。 結末含めネタバレがあります。未見の方はご注意ください。

救いも許しも訪れない世界で生きる方法 映画感想『魂のゆくえ』

観ようと考えていたシュレイダー監督の「カードカウンター」を見逃したので、未見だった「魂のゆくえ」を観た。 人生に絶望している牧師がとある夫婦に出会い、夫の絶望を機に自身の信仰への疑念を抱き、さらに逃げようのない絶望にたどり着くお話。

アニメ感想 『マルドゥック・スクランブル 圧縮・燃焼・排気』

冲方丁原作の小説をアニメ映画化したもの。 原作は若いころに読んだ。最近マルドゥック・アノニマスを読もうと思い、そこでヴェロシティを途中までしか読んでいないことを思い出して、おさらいがてら未見だったアニメ版を鑑賞。 原作者かつシナリオライター…

失礼ながら意外と面白かった。 映画感想『科捜研の女―劇場版―』

なんとなくつまんなくてもいいから普段観ない映画を観てみようと思い鑑賞。 人気ドラマシリーズ科捜研の女の劇場版。相棒なんかはかなり映画が作られているけれど、1999年からブランクを入れつつずっと続いている本作の映画化は初。 そもそもテレビドラマの…

ヒーローの運命と責任。あと衛宮士郎みたいな話。 映画感想『ザ・フラッシュ』

ザ・フラッシュを観ました。感想を書きます。 以下、結末までネタバレありです。 コミカルさとしんどさがうまく混ぜられて、非常に見やすく整理されており、とかくシナリオが上手い。あと、エズラ・ミラーがいないと成立しないキャラクター造形と芝居で、こ…

読書感想 『隷王戦記3 エルジャムカの神判(森山光太郎)』 ※ネタバレあり

全三巻の最終巻。神々が人類から選んだ数名の英雄に超常の力を与え争わせる世界、運命に絶望し人類廃滅に動く覇者エルジャムカと、唯一エルジャムカを殺しうるカイエンの戦いの物語。 結末までネタバレありです。

マルチバース、本当の自分、コミュニケーション不全 映画感想『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』

スパイダーバースの第二作。アクロス・ザ・スパイダーバースを鑑賞しましたので、感想を書きます。 最高の作画で、観たことのないものが観られますんで劇場で観る価値抜群の最高映画です。みんな観ましょう。 ストーリー展開については、要約すると予告編か…

愛が幸いを運ぶとは限らない ドラマ感想『最愛』

・最愛 話題になってたドラマ。面白い。 タイトルの通り、最愛のもののために動く人々の偶像劇スタイルで、だれがだれを愛し愛のためにどう行動したかが物語をひっぱっていく。真犯人は誰かって謎解きのフックはとうぜん面白いのだが、ここのところの各キャ…

熱量が全てを押し流す圧巻の古典ラノベ 読書感想『ブラックロッド(古橋秀之)』

古橋秀之作、ブラックロッドを読んだので感想を書きます。 今年発売された愛蔵版ではなく、古い方を読みました。 本作は第二回電撃ゲーム小説大賞【大賞】受賞。初版は1996年、まぎれもなくライトノベルの古典的名作。第一回受賞の高畑京一郎と第二回受賞の…