ライトノベル
島田雅彦の大転生時代を読んだ。ネタバレありの感想と、そして今更すぎるが本作が出たころにインタビューや書評で語られたことへの雑感も記したい。 もうSNSで語られつくし、書評も出切って需要もないだろうが、SNSをろくにやっていないオールドおじさんラノ…
西尾維新先生の『ウェルテルタウンでやすらかに』を読んだので感想。ネタバレあり。書籍の朗読音源販売サービスAudibleでの配信を前提に作られた小説で、鈴村健一による見事な朗読が聴けるのでそちらもおすすめ。
2005年の古いラノベ、『絶望系 閉じられた世界』を読んだので感想。電撃文庫から出版、作者は谷川流。刊行当時読んだはずだが、すっかり中身を忘れていた。 あらすじ:家に悪魔と天使と死神と幽霊が来て困っている、という友人・建御からの相談を受けて彼の…
今月読んだ本について ①テスカトリポカ 著:佐藤究 発売時に非常に話題になった。文庫化にあわせて読む。 神話になぞらえて描きだされる現代の新たなる血と心臓と破滅の神話。始まり、血を吸い上げ、終わる。そのサイクルを顕現する物語は、アメリカ映画的展…
ガガガ文庫のラノベ、ミモザの告白を読んだので感想を。ネタバレありです。 あらすじ:一昔前の日本の片田舎。冴えない高校生の咲馬は文武両道容姿端麗な幼馴染・汐へのコンプレックスを抱えつつも親友として学校生活を過ごしていた。ある日、汐は自身の性別…
新城カズマ著、早川文庫2005年刊行のSF小説『サマー/タイム/トラベラー』を読みました。 地方都市・辺里市に暮らす卓人、響子、コージン、涼、そして悠有の高校生五人組は<プロジェクト>と称して集まり、響子をリーダーにして非生産的な研究を繰り返してい…
AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜を読んだ。2008年、ガガガ文庫より刊行。作者は言わずと知れたエロゲーライター田中ロミオ。ガガガは初期にはエロゲーライターを積極起用していた(というか、一時のラノベ・アニメ業界は積極的にエロゲーカルチャーから人を引…
古橋秀之作、ブラックロッドを読んだので感想を書きます。 今年発売された愛蔵版ではなく、古い方を読みました。 本作は第二回電撃ゲーム小説大賞【大賞】受賞。初版は1996年、まぎれもなくライトノベルの古典的名作。第一回受賞の高畑京一郎と第二回受賞の…
ダブルブリッドX(10巻)を読んだ。作者は中村恵里加さん。1999年に電撃ゲーム小説大賞を受賞、2000年に本シリーズでデビュー。20世紀のラノベ。本シリーズは2000年にスタートし2003年までに一気に9巻まで出たのだが、その後ストップ。最終巻は四年半後の2008…
古いラノベを読む。漫画やアニメなどのメディアと比較するとラノベは完結後語られなくなるまでが早い気がする。縦軸で語られることがないというか、ジャンルのマップが意識されることが少ない。別に私もマップを作りたいわけではないのだが、そんなことを考…