ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

古いラノベを読む

ここではない少女こそがフィクションで、目を焼いて放さないフィクションこそ未来 映画感想『サマー/タイム/トラベラー(新城カズマ)』※ネタバレ

新城カズマ著、早川文庫2005年刊行のSF小説『サマー/タイム/トラベラー』を読みました。 地方都市・辺里市に暮らす卓人、響子、コージン、涼、そして悠有の高校生五人組は<プロジェクト>と称して集まり、響子をリーダーにして非生産的な研究を繰り返してい…

真面目に中二病によりそう作品は稀な気がする 読書感想『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜(田中ロミオ)』

AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜を読んだ。2008年、ガガガ文庫より刊行。作者は言わずと知れたエロゲーライター田中ロミオ。ガガガは初期にはエロゲーライターを積極起用していた(というか、一時のラノベ・アニメ業界は積極的にエロゲーカルチャーから人を引…

熱量が全てを押し流す圧巻の古典ラノベ 読書感想『ブラックロッド(古橋秀之)』

古橋秀之作、ブラックロッドを読んだので感想を書きます。 今年発売された愛蔵版ではなく、古い方を読みました。 本作は第二回電撃ゲーム小説大賞【大賞】受賞。初版は1996年、まぎれもなくライトノベルの古典的名作。第一回受賞の高畑京一郎と第二回受賞の…

読書感想 深見真 「ブロークン・フィスト 戦う少女と残酷な少年」

深見真著、ブロークン・フィストの一巻を読んだ。 第1回富士見ヤングミステリー大賞を受賞した一作であり、現在も現役で作家として活動し、PSYCHO-PASS サイコパスなどのアニメ脚本・シリーズ構成でも活躍する深見真のデビュー作。2002年発売。 富士見ミステ…

古いラノベを読む 稲生平太郎「アクアリウムの夜」

稲生平太郎著、アクアリウムの夜を読んだ。 1990年に書肆風の薔薇から刊行された小説を、角川スニーカー文庫が2002年に復刊したという変わった経緯の作品。2000年代初頭、角川スニーカー文庫はスニーカー・ミステリ倶楽部というレーベルを作っており、そこか…

本当に読んで良かった最終巻。『ダブルブリッドX(最終巻)』

ダブルブリッドX(10巻)を読んだ。作者は中村恵里加さん。1999年に電撃ゲーム小説大賞を受賞、2000年に本シリーズでデビュー。20世紀のラノベ。本シリーズは2000年にスタートし2003年までに一気に9巻まで出たのだが、その後ストップ。最終巻は四年半後の2008…

古いラノベを読む 『円環少女 1 バベル再臨』

古いラノベを読む。漫画やアニメなどのメディアと比較するとラノベは完結後語られなくなるまでが早い気がする。縦軸で語られることがないというか、ジャンルのマップが意識されることが少ない。別に私もマップを作りたいわけではないのだが、そんなことを考…