ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

悪趣味ギャグが好きな人はアマンダ・ウォラーに感謝すべき 映画感想『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』

 ジェームズ・ガンの『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』を観たので感想を。

 

 冒頭から人死にギャグ全開だが、冒頭の人死にまくりギャグはあんま面白くなかった。みんなバカすぎて。私がゴア描写萌えではないというのが大きい。でも血で書かれるロゴはよかった(その後ずっとそれやるのはくどかったけど)。

 陽動作戦だったわけだけど、この作戦自体さほど賢い気がしない、冒頭で人が死にまくるシーンを作るためのモノで、つまりこの映画が好きな人はドヤ顔で人命を無駄遣いしてくれるウォラー氏に感謝すべき。

 ウォラーがムカつくという人がいるが、ムカつく人だからこうして雑に人が死んでいく姿が観られるわけだ。ウォラーは製作者の使徒であり、ウォラーを経由してファンの愛するゴアやらちょいブラックな人死にギャグが届けられているのがこの映画の構造なので、本作が好きでウォラーが嫌いという人は認識を改めるべき。なんでこの政治マシーンみたいな上司がいて部下たちはあんな感じでいられたんだろう。

 

 我らがスーパースター、ジョン・シナの芝居がとてもいい。あとやっぱシナは顔がいい。顎がごつくて鼻がでかいと仮面も映える。バウティスタとかもそうだけど、やっぱり身体の大きさや太さや力強さを観客に伝えるたたずまいを作る演技、という点においてアメリカのレスラーは抜群に巧い。日本のレスラーは芝居が上手い人があんまりいないので、もっと演技教育とかすればいいのになと思う。

 今回のメンバーはみんなよかった。キャラも立ってるし役割分担もしっかり決まってる。常に病的な表情でい続けているポルカドットマンの役者がすっごくよかった。あのママ、太ってて大きい眼鏡であの髪型の白人中年女性キャラってよく見るけどアメリカの毒親テンプレなんかね。

 サメもCGすっごい。イドリスは当然かっこいい。ブラッドスポートの武装がとにかくかっこいい。一個ずつ武装を奪われながら戦う対群衆シーンなんて超よかったね。

 スターロが中に人が入っている動きをしているのもよかった。楽しい。

 

 楽しい映画だった。とにかく派手なのがいい。起こることも派手で画面も派手。騒々しい映画はいい映画だ。構造的にはほぼ評判の悪い方のスーサイドスクワッドと同じにしてよりよくしているところも、同じ題材で何度も映画を作り続けるヒーロー映画のメタ的な構造も興味深く楽しい。

 最後に溺れてたイタチが生きてたってシーケンスがあるけど、アメコミ映画って全然意味がない「実は○○でした」好きだよね。

 

 いろいろなギャグがあったけど、一番笑ったのはハーレイクインと大統領のセックス。ただ全体的にネタがくどく感じたな。ボケがしつこいというか。自分の好みよりぜ部ちょっと長い。これは完全に好みの話で。

 あとギャグで死ぬ人はくどく無残に死ぬわりにハーレイへの拷問は地味だったり、ハーレイ活躍場面は敵が雑魚キャラだし、なんというか都合がいいというか。あとなんでこんなに格闘スキル高いのハーレイ。ジャベリンの残留思念が彼女に力を貸したのかもしれない。