ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

映画感想『MEG ザ・モンスター2』※ネタバレ

 MEG2:The Trenchを観たので感想を書きます。ネタバレあり。

 面白かったところもあり、つまんなかったところもあり、でも鮫とステイサム観に行ってんだから話が面白くなくても観るべきもんは観たかな、みたいな感じです。

 以下、ネタバレあり。

 

 凄腕潜水レスキューのジョナス・テイラー(ステイサム)は海洋調査団に参加し、マリアナ海溝の奥深くにある未知の領域へ調査に向かう。そこは滅びたはずの太古の古代生物がいまだに生きる領域だった。人類未踏のはずのそこには謎の巨大施設があり、ステイサム一行は何者かの襲撃を受ける。謎の組織から逃げるステイサム一行が深海を脱出するが、それは彼らを追う巨大生物たちが深海から人類のいるビーチまで襲来することを意味していた。

 というてんこ盛りの続編。ジェイソン・ステイサムVS巨大鮫というパンチラインだけで企画が通ったであろうパワーのある作品の第二弾は、前作では二頭しかいなかったメガロドンが群れに。さらに映画オリジナルの深海も陸も対応可能の鰓でも肺でも呼吸できる非実在恐竜に巨大蛸、とどめの餌枠には違法海洋盗掘武装組織まで追加と、第二弾ということでパワーアップを図っている。

 モンスターを増やして、ついでにステイサムだし人間対人間のアクションも入れちゃうという乱暴な作りが楽しい。

 しかし要素を増やした結果、パニックが起こるまでのセットアップがかなり長くて、序盤はわりと退屈というかとっちらかっている。さらに予告や公式サイトのあらすじでは明記されていないが本作は中国の海洋保護団体代表のジウミンがもう一人の主人公で、ステイサムとのダブル主人公になったことで、彼の掘り下げや活躍場所を作るために物語がより散らかっている。

 ジウミンがこの映画において結構な問題だと思っていて、ステイサムが万事一人で解決可能な超人なのでジウミンの行動がわりとステイサムとかぶる。特に前作から続投のメイインの父代わりを務める、という役割がステイサムとかぶったことであんまり物語上の必然性がない。メガロドンを捕食可能な巨大蛸(こいつが海溝から上っていくシルエットのシーンが最高)との対決を任されるけれど、ステイサムほどの工夫のあるアクションではないのでモンスターが生きてこない。あとジウミンは自信家で妙に生き急ぐところがあり、それを何度もステイサムにたしなめられるのだが、特段反省も問題になることもなく物語が終わるので、この性格付けとか飼ってたメガロドンとかなんだったんだろうと思う。とかく出番が多いわりにシナリオ上あまりきちんと扱われていないというか、いなきゃいないで成立していしまうので、いい役者使ってるのに非常にもったいないと思った。

 さらに違法盗掘グループのボスなんて何故か現場に来てステイサムに会わずに死んでいくのとか、こういう映画に言っても仕方がないんだけど雑すぎねえかという部分もある。

 という感じで物語的にはつまらない部分も多分にあるのだが、しかしやっぱりステイサムはいいし、鮫の活躍も素晴らしい。

 今回、モンスターたちを全く出し惜しみしないのが凄くよい。

 オープニングのイグアナを謎の恐竜スナッパーズが食う→スナッパーズをティラノサウルスが食う→ティラノをメガロドンが食う、というそんな馬鹿なというド派手なシーンは最高。その後もバンバン鮫が出てくるし、陸ではスナッパーズが大暴れで楽しい。

 鮫対ステイサムも工夫が多くて、大波をジェットスキーで乗りこなしながら爆弾鑓でメガロドンを突き殺すところなんてそこだけでこの映画を観たかいがあったと思う。

 そしてラスト、ヘリのプロペラでメガロドンを貫き殺すステイサム。いや、後半は最高のシーンの連続だった。満足。