ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

読書感想『ラナーク 四巻からなる伝記(アラスター・グレイ)』※ネタバレ

 『哀れなるものたち』の原作者アラスター・グレイの第一長編『ラナーク』を読んだ。本作のネタバレがあるため、未読の方はご注意を。

 グレイは日本における著作の邦訳は哀れなる~以外絶版。本作も絶版で中古価格が定価よりだいぶ高くなっており読むのが難しい状況。哀れなるものたちの映画版が高評価を集める今なら復刊するのにちょうどいいと思うのだけれど。

 

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救われない者たちの煉獄 映画感想『沈黙のパレード』※ネタバレ

 ガリレオシリーズ『沈黙のパレード』を観たので感想。

 テレビ放送するということで先んじて配信でチェック。

 人気ドラマ『ガリレオシリーズ』の劇場映画第3弾。監督は西谷弘、脚本は福田靖
が前作から続投。

 ・あらすじ

 三年前に行方不明になった並木沙織の遺体が、彼女と全く縁のない土地の火災現場から発見された。容疑者として浮かび上がる男・蓮沼はかつて警視庁捜査一課係長・草薙が担当した少女殺害事件の容疑者であり、完全黙秘による無罪を勝ち取っていた。同じく完全黙秘で釈放を勝ち取った蓮沼は沙織の遺族が暮らす菊野市に現れ遺族を挑発するが、その菊野市で行われるパレード当日に死亡する。死因不明、動機を持つ遺族には全員にアリバイ、この難事件に湯川が挑む。

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手堅い一品 映画感想『ヴァチカンのエクソシスト』※ネタバレ

 ヴァチカンのエクソシストを観たので感想。ネタバレありです。

 

 ヴァチカンのチーフ・エクソシストであるアモルト神父のもとに教皇から悪魔祓いの依頼が入る。スペインの廃教会に暮らす一家の息子が悪魔にとりつかれたという。アモルト神父は子供を救うため悪魔を倒すべく対決する。というお話。

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シナリオがよい 映画感想『きさらぎ駅』※ネタバレ

 きさらぎ駅を観たので感想。ネタバレありです。

 監督:永江二朗、脚本:宮本武史。主演:恒松祐里

 

 2ch発のネットロア『きさらぎ駅』の映画化。民俗学専攻で神隠しについて研究する大学生の堤春奈(恒松祐里)は、実際に異世界へ行った経験を持つ葉山純子を取材する。葉山はかつてきさらぎ駅へ迷い込んだ恐ろしい体験を語る。きさらぎ駅へ降りた葉山は若者三人組、会社員、そして勤務先の高校に通う宮崎明日香(本田望結)と出会う。全員で駅からの脱出を目指したが恐ろしい怪異に襲われ次々と命を奪われていき、元の世界へ戻れたのは葉山だけだった。葉山は取り残された教え子を救うために情報を集めようと、きさらぎ駅の話をネットに流していた。堤は葉山から提供された情報からきさらぎ駅へ入る方法を解き明かし、宮崎救出のためにきさらぎ駅へ向かう。

 

 いかにもつまらなそうな雰囲気の量産型Jホラーの空気がどっさり出ている作品ですが、これが意外と面白かった。ネタバレなしで観た方がいいです。

 

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お菓子のチョイスが渋い 映画感想『”それ”がいる森』※ネタバレ

 中田秀夫監督、相葉雅紀主演の映画『"それ"がいる森』を観たので感想。ネタバレあり。配信になってからこの映画を観る人はネタ知っているだろうけれど。

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最近観た映画等の備忘録

 最近チェックした諸作品について備忘として感想を記載。ネタバレあり。

 開設以来平均20PV/日のこのブログがここ一週間600PV/日くらいアクセスされているので調べたら黄龍の村の感想のみアクセスされている。どうやら最近Netflixで配信されたらしく、その影響のようだ。他の記事へのアクセスはないから特段面白味のない感想だと日に600人くらいが思っていると考えるとゾッとしまさあな。

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永遠に続く学園祭の延長戦 映画感想『ビューティフルドリーマー』※ネタバレ

 うる星やつらではなく、2020年公開の本広克行監督の実写映画。低予算だが商業映画的なしがらみが薄い絶対監督主義を標榜する企画『シネマラボ』の作品。押井守が映画のために書いた『夢みる人』という本を原案として本広克行が作り変え、さらに脚本は完全な形にせず現場での即興劇で撮影を進めるという実験的な作品。

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