ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

最近観た映画等の備忘録

 最近チェックした諸作品について備忘として感想を記載。ネタバレあり。

 開設以来平均20PV/日のこのブログがここ一週間600PV/日くらいアクセスされているので調べたら黄龍の村の感想のみアクセスされている。どうやら最近Netflixで配信されたらしく、その影響のようだ。他の記事へのアクセスはないから特段面白味のない感想だと日に600人くらいが思っていると考えるとゾッとしまさあな。

 

・映画

死霊館

 ジェームズ・ガンのホラー映画。グロやスプラッターは無しで、丁寧な音や演出で怖い空気を作る演出の巧さが大変好み。ジャンプスケアがほどよい。音がいいよね。ウォーレン夫妻がキュート。レコーダーやUVライトなどほどほどにアイテムを使った幽霊追跡が面白い。バチカンは信者を守るために悪魔祓いをするので家族の誰も洗礼を受けていないと悪魔がいることを証明できても派遣してもらえないかも、というくだりが妙に宗教的でリアル。しかしあんな恐ろしいものがしまってある部屋に気軽に記者を入れちゃいかんよ。グワーッと一気にド派手になる終盤の展開がまたよい。

 

〇ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

 フレデリック・ワイズマンが長い歴史を持つロンドンの美術館ナショナルギャラリーを撮影したドキュメンタリー映画。3時間もある。こういうのを観るときは英語がわかりゃなと思う。思うだけだが。

 絵画鑑賞方法の説明や解説、ダ・ヴィンチ展に殺到する観客の様子といった美術館の表側から、展示企画の会議、絵画修復、予算会議といった裏側まで色々観られるのは楽しい。展示についての話、照明や配置で絵画をどう見せるかを考えるところなんかかなり面白かった。それと絵画修復の話もいい。ラストは美術館を使ったダンス公演が流れて終わる。これまで語られてきた絵画の読み解きや光の当て方についての話が収束するようなダンスは、劇映画のクライマックスのようでよかったね。このダンスってなんなんだろう、バレエ? コンテンポラリーってやつ?

 いかんせんナレーション無し、主人公格になるドキュメンタリーの中心人物も置かない、で三時間となると配信で観るのはしんどい。こういうのは映画館で他に気の散る要素のない状況でぐったりしながら観るべき。

 

アントニオ猪木をさがして

 オカダ・カズチカ退団のニュースに衝撃を受けてなんとなしに後回しにしていた本作を鑑賞。

 アントニオ猪木という人物の英雄的な部分、憧れの部分のみを抽出して作った映画。猪木さんの面白さというか、マズい人物だった部分は描かれないのだけれど、まあ追悼企画でそんなことやってもなあと思うし、幼少期に猪木にあこがれた人にはこう見えているってこともあるだおうな。だからこそドラマパートを使って「あの時代に猪木にあこがれてその気持ちを抱えたままの視点から観た猪木映画」という構造にしたのかなと思う。しかしドラマパートがつまんない。後藤さんの役者姿くらいしか見どころはない。藤原組長の襲撃についての話と、その際の話し方がよかったな。あと巌流島を神田伯山に語らせるのはよかった。講談は歴史的事実を語るわけではないから、それで猪木を描くのはいい演出。

 若い海野翔太の「自分からすると棚橋さんの方が偉大」とか、有田さんの提案で戻される猪木パネルとか、そういう部分は今現在プロレスを追っかけている身からすると面白い。

 

〇99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE

 オカダ退団するのでオカダが出ていた本作を観る。テレビドラマは観たのに映画は観ていなかった。鶴瓶のキャラの処理など詰め込んだ印象で、あんまり面白くない。あと久々に香川照之を観たらやっぱりもうこの人の作品は観たくないなと思う。胸糞エンドなんだけど犯人の確定が「村人が守るならこいつ」って推論で、それはこの主人公がこだわる証拠に基づいた事実なのか? ラスト、あの状況であの喋りするやつ頭おかしすぎる。こういう人いるけどさ、語録とか定型文のコピペが会話だと思ってるやつ。そういえばシリーズが進むにつれて主人公が飄々とした人ではなく、まともな会話ができない異常者に見えてきてたな、と思い出した。

 

ビッグ・フィッシュ

 ティム・バートンの有名映画。名前は聞いたことがあるのに観たことがなかった映画カテゴリーに入っており鑑賞。サーカス団あたりで既に一度観ていたことに気づいたが、いつ観たのか全く思い出せない。老いたな。

 余命宣告を受けた父の残り少ない人生に寄り添いながら、彼のほら話が回想されていき、それが真実を脚色していることで完璧なホラではないということがわかってくる話なのだけれど、いったいどこまでが脚色なのかはわからない。しかしどうやらお父さんがそうとう凄い人だったことは確からしい。双子の歌手がシャム双子になっているあたり、ベトナム戦争への従軍は本当だし、その罪の意識もあるのだろうとか、そんなことは見えてくる。事実がもとのフィクションを父が話しているとすると、巨人との対決と村からの旅立ちは、とか。色々と父の傑物っぷっりと、それを誇りとして息子に自慢するでなく、ただ楽しく語り継がれたい人生の物語として抱えていることが見えてくる。そのあたりを説明しないのも、親子の物語という枠組みが明確でいい。人生の物語と人生を基にしたほら話なら私は面白いから後者を話す、という先生の言葉がこの物語の大きなキモだと思う。そもそも人生を振り返って話すとき、そこには脚色が存在しうるわけで。二度目の鑑賞で、一度目は全く覚えていないが、二度目の今回のが感動できていたと思う。

 

犯罪都市

 マ・ドンソク演じる暴力を辞さない警官が、朝鮮族(韓国における中国系移民の呼び方)のヤクザによって乱された治安をぶん殴って解決する。冒頭の説明によれば本当に朝鮮族主体の非合法組織を問題視した警察による浄化作戦はあったっぽい。悪者がどんどんやばいことやってストレスフルになったところでマブリーが全員やっつけるぞって映画なのだけれど、複数の地元ヤクザの動向、少年との交流、若手警官の奮起とかなり詰め込まれていて意外と話は錯綜している。あと韓国映画はやっぱりできるだけ酷いことをしようとするので敵が狂っている。ラストはマブリーが敵をぶっ飛ばしてスカッとするかというと、敵の悪行もえぐいし地元のヤクザもんは普通に犯罪続けているわけだし、そこまで痛快ってこともない。敵が実質ボス一人だからってのもある。サクサクっとナイフ刺していくアクションって流行ったよね。

 ラストに『国民の安全を守る警察に感謝』みたいなものが出てくるんだけど、警察から協力があったら入れないといけないルールなのだろうか。拷問している上に地回りのヤクザとつながっている警官が主役なのに協力してくれるなら、映画の作りては助かるよな。

 

犯罪都市 THE ROUNDUP

 犯罪都市の第二弾。ベトナムに逃亡した韓国人犯罪者の身元引き取りに向かうマ刑事。自首した男からアジア系観光客誘拐組織にたどり着いたマ刑事は調査に乗り出す。しかし誘拐組織の首魁ヘサンが殺した観光客が、韓国の金融ヤクザの御曹司で父親が敵討ちのために刺客を雇ったことで事態は血みどろの抗争へ発展する。

 今回も悪党のファイトスタイルはサクサクと相手を刺すアクション。ヘサンの戦闘時のポジション取りが上手い。しかし前回とあまり戦いは代わり映えしない。前回もボスは狂犬だったし。しかしヘサンの強さと隙のなさ、生き意地の汚さと欲深さは強烈。執念深さと隙の無さと金への執着という一部の隙のない最悪の悪党っぷりが素晴らしい。しかし最強無敵の男マが来たら終わるのでヘサン有利での金融ヤクザ討伐シーンが続くという構造は足枷だなあと思う。警察手薄だし、ヘサンサイドの話が長くなってしまう。ちなみに実際にアジア系観光客を狙っての誘拐組織は実話だそうだ。怖。

 ヘサンが大暴れしているので、正直マがラストに暴れてもそこまで爽快感はない。マ・ドンソク好きのための映画といった感じ。面白いけど、3は観なくてもいいかなという感想。

 構図の工夫も多い。上からのアングルがやたら多い。色々と明らかにどこかからの引用で観たこともあるはずなのに思い出せない。

 

ユージュアル・サスペクツ

 タイトルもオチも知っているが観ていなかった作品。警察の対応が全体的にやばい。いま観るとこういうのが後追い作られすぎちゃって、あんまりだったな。というかオチ知っちゃってると、誰視点なんだ? とか、色々余計なこと考えちゃってよくない。でも芝居がうまい。

 

・本

〇真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました

 アニメ化したので読んでみた。アルベールが腕落とされるところまで。略称が「真の仲間」なんだけどもっとなんかなかったんか。

 直球のなろう系だけど、こういうベタなものをそのジャンルが好きな人が好きな形で書ききって届けるのがどれだけ大変かって話よな。直球のなろう系ってなめられがちだけど、当然誰でもやれることじゃないよね。とにかくキャラが可愛くていい、キャラもベタなんだけど、でもこういうの好きでしょと言われたら真っすぐ頷いちゃうからこれいいのだ。アルベールとレッドの関係性は定番の主人公とその対比となるシャドウという構図なんだけれど、腕落としたあとに期待していたことを語るシーンはあんまりにも残酷だなと思った。若い人間の男にももっと優しくしてやってくれ。

 加護の設定が残忍でヤバい。宗教原理主義的な生き方を規定してくる感じが世界全体を覆う恐怖。