ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

映画感想 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』※ネタバレ

 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を観た。

 SEED放送当時、十代だった自分としてまさか本当にやるとは思わっていなかった劇場版。上映されただけでうれしい。

 内容もファン向けにど真ん中なことをやってもらえて良かった。SEEDにハマってDestinyでモヤっとしていたあの頃の自分が観たらすげー喜ぶんだろうなということを観ている間ずっと思っていた。本当に公開されたことを感謝したい。

 すっげー面白かった、だけどあそこがなーと思うところは当然あって、男女の描き方とかおじさんの私ですら古いなあと思うし、序盤の戦争描写はハサウェイっぽくてラクスがコードギアスみたいになってとか、エンドレスワルツの再生産だけどアップデートはされていないような、とか。何よりラクスとキラの二人はDESTINY時点でもう共同体として戦う運命であろうと進んでいたものだと思っていたので、そこのとこの物語の中心軌道ももやっとするし、あとあの悲運の子供たちが全滅ってのもなあ。なんか全体的にマジェスティック・プリンスっぽくなかった?

 古い作品をもう一度語るとき、現代に向けるかあの頃に向けるかで別れると思うのだけれど、この作品は完全にあの頃に向けて古いサクゲキをしており、その結果として私がもう十代の頃と異なるものの観方をしているのだとよくかわったところも面白い経験だった。たぶん、中高生の私が浜辺全裸キララクスを観たら笑ってたと思うのだけれど、今はなんとなくそうしたことの意図とか汲めるわけで、良くも悪くも(主に悪い方へ)歳を取ったなと感慨深い。

 文句はあれど(私はいつだって文句がある)、でも機体かっこいいしキャラ可愛いし、ズゴックの面白ギミックも最高、イザーク母子なんかも見れたり、ブラックナイツの赤い光線でロックして戦うスタイルもカッコいい、ファン的にはなんかもうこれだけ観られれば料金の何倍か楽しんだなと思う。アスランの異様な煽りスキルの高さも、石田彰の芝居の良さと相まって今回の続編で異彩を放つキャラになっていて笑える。

 あとなによりよかったのは、「愛とは」みたいなことを大演説かますスケール観の芝居って最近とんと観なくなっていて、そういうものをやってくれるアニメはそれだけでもう大好きだ。

 

 というようなあれがいいここがよくない、ということを20年越しにまた考えることがでたという、そのことがとにかく嬉しい。普通に映画を観るのとはまた違う、得難い経験ができた。