ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

映画感想『ドロステのはてで僕ら』※ネタバレ

 『ドロステのはてで僕ら』を観たので感想。ネタバレありです。

 人気劇団『ヨーロッパ企画』の作った映画。

 

 あらすじ:カフェのマスター加藤が上の階にある自宅へ帰ると、部屋のモニターに映る自分自身が話しかけてくる。モニターに映る加藤は、自分を2分後の加藤だと話す。上下のフロアにある二つのモニターを通して、わずか二分の時空を超えた通信が発生していた。全編ワンカット風の超小規模なSFが幕を開ける。

 

 

 元となった短編映像を観たことがあったので、配信で視聴。

 冒頭のカメラがカフェへ歩くなかで女性がストレッチして室内へ入るところのすっごい段取りくささというか、ここまでにこれをやるという時間に追われた感じからして嫌な感じがするのだが、その予感にたがわず全体的に段取りっぽい。順番にセリフいっている感じがするというか、世界観に合わせた芝居なのはわかるんだけど、どうも芝居の質感が苦手だ。

 ヨーロッパ企画サマータイムマシンブルースは大好きなものの、初めて生で観た『ビルのゲーツ』がなんだこれと思うようなものだったので、それっきり舞台は観ていないので全然熱心なファンではない。でもときおりテレビとコラボして作成された映像作品はわりと好きだったりして、配信にあるとみてしまう。いまやってるテレビドラマも面白いし、こう、舞台的なものを映画にってのがどうにもダメなんだと思う。あとワンカットってすごく感じるんだけど、でもカメラがふらふら動くと説明的に見えてしまってなんか緩慢に思う。

 ストーリーは面白い。

 たった2分先の未来しか見えない、しかもモニター画面内のみが繋がるという限定的なアイテムで何をするのかというお題で繰り出されるちっちゃな時間ものSFは楽しい。サマータイムマシンブルースもそうだけど、しょぼいことするっていうのがいいよね、やっぱり。でも何回こういうのやるんだろうとは思うし、なんか手癖で作られている感じもあるけれど、でもやっぱりこういうオチはテンション上がる。

 しかし事故で時間がループしたってことはタイムパトロールからしてもこれは事故で、その結果として来た彼らの存在を意図的に消すのって殺人っぽくない? ハッピーエンドなのかこれは。