ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

とにかく福丸小糸には幸せになってほしい。【セピア色の孤独】福丸小糸 ※ネタバレ

 アイドルマスターシャイニーカラーズの限定P-SSR【セピア色の孤独】福丸小糸をプレイしました。とってもよかった。

 浅倉と樋口がプロデュースカードが出るたびに重たい一撃を放ってくる中、小糸は救いのような真っすぐで明るく温かい物語。

 

 結末までネタバレします。

 

 ずっと示唆されてきた福丸小糸の中学時代が明かされる。他のシナリオですでに「中学のみノクチルの他三人とは違う学校に通っていた」「中学時代がトラウマ」であることが明かされていたけれど、そこが明確になるシナリオ。こんな重要なイベントが限定というのは、いつものノクチル。

 母親が喜んでくれるから中学受験して、名門私立に入ったら内部進学の子とか多くてすでに学校内のチーム分けができあがっており輪に入る方法がわからない。そのまま

勉強だけをして中学時代を終えた。という小糸の悲しき過去が生々しい。

 内部進学者が多い名門私立に外部から合流するのって、転校生として夏休みあけにすでに出来上がったクラスに入るって感じなんだろうけれど、転校生は転校生として明確に来訪者であるのに対し、小糸の立場はそうではないので、なおのことよほどコミュ力があったり人とつながるフックがないと溶け込みにくいよなあ。そして勉強だけを続けるセピア色の中学時代。悲しい。

 その結果、283プロの事務所に来た小糸は楽しそうな声が中から聞こえると怖くて逃げちゃうくらいのコミュニケーション下手になってしまうわけで、この幼いころの傷はそれがいじめのような明確な加害ではなくても人格に重い影響を与えるという描き方の生々しさがシャニマスっぽい。地味なきつさ。

 今回のコミュ、とにかく小糸の健気さが目立つ。母親が喜ぶなら中学受験する、というのと、自分が上手くふるまえないことで場を悪くしたら嫌だから人に話かけられない、というのは同じ根っこがあって、優しい人が優しさゆえに傷を負ってゆっくり世界にすりつぶされるという健気さが全く本人を救わないという現実的なしんどさが小糸のコミュにはある。透や円香のコミュは巨大感情萌えだから、そのしんどさはフィクション性が高いのだが、小糸は生っぽいしんどさがある。

 その小糸に対してのPがマジでかっこいいお兄さんをやっている。小糸のPはずっと大人として人生を導いており、その理由もうっすらこのカードでわかる。小糸母からの「あなたにとってはたくさんいる女の子の一人」という言葉を、Pなりに受け止めてふるまっているんだろうなと思うと、Pへの好感度急上昇。大人も悩んでいるっていうのをはっきり真っすぐ描くのも、シャニマスだよね。

 アイドルとして活動する中で、自分の抱えていた停滞感や、現状へのもどかしさ、幼馴染という枠の大切さ、そんなものと向き合いながら答を探していく小糸の物語も、非常にノクチル的だと思う。ノクチル的ってなんだ。

 アイドルも学校もうまくやれない日もあるけれど、うまくやれる気がする、というラストの希望の大きさ。満足度の高いコミュだったな。福丸小糸に幸あれ。

 しかし最近ノクチルのカードの間隔短くないっすかね。