元ワナビ日記

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名づけようのない輝き 映画感想『アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd Season 第2章』※ネタバレ

シャニマスアニメ第二期の劇場先行上映『アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd Season 第2章』を観ました。

以下、ネタバレあり。


第一章に続き、第二章もシーズン1よりぐっと良くなっている。つくづく惜しい。
原作コミュ「海に出るつもりじゃなかったし」「アンティーカのファン感謝祭」「薄桃色にこんがらがって」をベースにした四話で構成されている。どれもアニメに置き換えるにおいてかなり丁寧な再構築がされており、キャラクターの心象を丁寧においつつ退屈にはならない、シーズン1をふまえた上でグレードアップした内容になっていた。
一章とは異なりライブパートはないが、エンディングには新曲が使われ、その点でも見どころあり。
ノクチル紹介となる話では、樋口円香を視点に置くことが効果的に機能している。突然放り込まれたアイドルの世界、透が走れば走る幼馴染たち、しかし樋口には透がアイドルを選んだ理由がわからない、という個別コミュなしでは説明しにくいノクチルの微妙な関係性を丁寧に演出していた。円香を視点に置くことで、透の真意は謎のままミステリアスな才能の塊として演出でき、かつ小糸の頑張りが本当は彼女たちを動かしていることもわかるシナリオにできていて、この工夫はかなりうまい感じ。幼馴染には打ち明けない透が、真乃のひとことでアイドルへの意識を変えるシーンは第二章で最も美しいシーンになっていた。ここのアレンジもアニメ化のよかったところ。

アンティーカ、アルストはシーズン1から続く掘り下げで、こちらも良い。特に薄桃色は、一度キャストが演じた物語を再度演じることで芝居が変化しており、特に千雪の演技については抜群にブラッシュアップされていた。またファン感謝祭にはまさかの咲耶父が登場で背景を知るファンを泣かせにくる。

原作要素の詰め込み、コミュの整理、キャラの服装や所作により物語の立体感、どこをとっても丁寧で非常に見ごたえがあった。非原作ファンにどう映るかというとわからないけれど、Pなら楽しめるところは多いのではと思う。


シーズン1ではあまり効果的な場面がなかった3D作画だが、シーズン2ではライブの他、今回の並ぶノクチルの間をカメラが通り抜けるカットなどやっといい使われ方が出てくるようになった。
また効果的に使われる目のアップなど、アイドルものとしての演出もばちっと決まったものが出てきている。これがシーズン1でできたらなあ。

その分、プロデューサーは添え物になってしまっているので、ここのところは終盤戦に期待したい。

第3章ではちょこ先輩が軸になるストーリーがあるようで(あすみちゃんからのラインが伏線になっている)原作のどれが元になるのか含め楽しみなところ。

 

劇場がガラガラだったのでシーズン3はないのだろうけれど、今回の出来をみると本当にもったいないなと思う。

本編終了後の撮影OKタイムはいつも特段の必要性を感じていなかったのだけれど、前に座っていたオタクが女性キャラの胸だけアップで個別に撮影していて、こういうカメコ精神には向いているサービスなのかもなとしみじみ。