ラノベ書きしもの日記

ワナビの日記

四月クールのアニメを観始めた。水星の魔女、おとなりに銀河、君は放課後インソムニア、推しの子、スキップとローファー、U149

 今クールのアニメを観始めた。観たものの1話の感想を並べていく。

 今のところ鑑賞したのは、水星の魔女、おとなりに銀河、君は放課後インソムニア、推しの子、スキップとローファー、アイドルマスターシンデレラガールズU149。

 毎クール、この最初の一話を雑多にみる期間が大変楽しい。最近はさっぱり声優の区別がつかなくなってきており、毎クール老いを実感している。

 

 以下、ネタバレあり。全部1話の感想。

 

・水星の魔女

 1期のあれらからそんなに時間が経過してなくてよかった。あれから数年、とかなったら最悪だなと思っていたんだ。

 決闘の宣誓が薄っぺらなウソで、実際には各自のバックについた企業によって提供される支援こそが結果を決めるということがまざまざと描かれた後の二期に聞くと、この宣誓にも味わいがある。

 プロスペラの洗脳が解けそうにないスレッタ。プロスペラのやりくちは常に「●●になったおかげであなたが××できた」という、あいてに考えることをやめさせ、あいての行動をまるであいてが自分の意志で決定したように誘導するという、まさに大人の理屈。まさに魔女。

 スレッタが洗脳から抜けそうになるタイミングで脳裏に浮かぶのがミオリネというのが、まさにヒロインといった感じ。

 他の学園トップたちの動きをみるとエランは一歩遅れているように見えるが、どうなるのか。

 基本的には大人の作り上げた幾重もの枷に縛られた子供たちの苦難と解放を描く物語であり、その枷=呪いに無自覚なスレッタと自覚的だったミオリネという対比が中心であることは2期も変わらないのかなと思う。結末が楽しみな作品。

 しかしスラムダンクの映画なんかもそうなんだけど、始まる前にはさんざぶっ叩いていた人たちが始まれば大好評っていうの、そろそろ学ばないもんなんだろうか。最初はポリコレうんぬんで叩いておいてこの大ヒット、反省も学びもないと文句言って逃げるだけの卑怯な老人になってしまう。

 

・おとなりに銀河

 和久井優さんの浅倉透以外の芝居は初めて聞いたのだが、全然印象が異なる。

 家がでかく、道が広い。金髪ロングお嬢様美少女、漫画家とアシスタント、大家族と王道の羅列で真っ向勝負という感じ。で、ちゃんと面白い。すごい。

 実は宇宙人ってチョイスは、古い少女漫画っぽい気がする。母親のヤバい家庭環境も。

 主人公がちゃんとした大人で気遣いができるし、ヒロインもちゃんと気遣いをして言うべきことを言うという倫理観の高さは実のところアニメでは珍しい。倫理観の高い人間は問題を起こしにくいから物語を大きく波打たせないし、あと、ついつい作家は派手にしたくて変わり者にしたがるから(それが行き過ぎて最近はガンガンオンラインくらいのわりと少年向けだったサイトでもグロ漫画載せたりする)。でもその倫理観の高さを作劇に乗せて、丁寧な物語になっているし、だからこそ宇宙人婚姻ものという突飛な設定が際立っている。五色さんの変な口調も、変過ぎないというか、少しズレている状態でキープされており、台詞がうまいなあ。

 べったりくっついて動く姉弟が可愛いい。お母さんに断られても養育の義務はあるので訴えれば金は取れるはずなのだが、しかしリアリティとして考えても親に手を切られた子供が負うだろう傷を想像するとそこにリトライする力は残っていないだろうと思う。あとトゲのセキュリティがガバガバすぎるが、漫画の宇宙人はたいていガバガバの設定を一つは持つものなのでセーフ。

 

・君は放課後インソムニア

 天文で高校生でとなると宙のまにまに、夜と不眠だとよふかしのうたを連想。どっちもいい漫画。

 不眠症でちょっと偏屈な主人公。芝居もあいまって若干の糸色望みがある。ヒロイン登場までに一気に不眠症・クラスでの立ち位置・本人の性格・能天気な友達、と一気にセットアップされておりテンポがいい。このテンポからぽんと静寂が来るヒロインとの出会いのシーン、いかにも少女漫画な構図で、手前のシーンまでの日常的な喧噪から切り離されて印象的。ワンカットでラブコメの波動が照射される。

 不眠症、実際にはブルーライトがどうこうとか質のいい睡眠とか言ってないでとっとと病院に行くのが吉なのだが、漫画とかで「病院にいけばいいのでは」は禁句。

 他者の熱があると眠れる、という話を聞くと、オリエント工業ラブドールのおかげで不眠症対策になったという話を思い出す。関係ない連想に思えるけれど、行き場のない夜、来る明日への漠然とした不安に対して、よりそう他者が救いになるというのは同じなんじゃかなろうか。

 EDがとってもいいのと、ヒロインのファッションがしゃれててかわいい。

 

・推しの子

 1話目が86分。鬼滅の刃みたいな力の入れようだ。説明台詞の使い方も鬼滅の刃っぽい。めっちゃ喋る。

 「アイドル」「推し」「転生」「リベンジ」という流行りどころを見事に融合させて、説明しっかりして広いレンジで面白がらせるという、匠の技。企画段階で強い。ヒットメーカーはすごいなあ。推しの子ってタイトルのセンスもすごいし。双子にしているところもうまいよね、物語が拡大する要素を最初からバンバン積んでいる。最初からどんどん色々な情報が建て込まれていく。子供たちの面倒を社長妻がみる、という設定にすることで、アイドル側と子供側の物語の進行を別々に描くこともできるし、合流させるときも無理がなくできる。このあたりのセッティングもとてもうまい。死とか血とかフックに使いたがるのも最近の話題作っぽいな。

 おちょこで焼酎呑むのか社長。

 都合よく悲劇が起こる感じといい、企画の良さとわりと普通に進む物語といい、死の使い方といい、台詞の使い方といい、なろう系っぽい作りだよね。転生→別れ→引継ぎ、という構造も。見事に面白い。ヒットメイカーの凄腕。なろう系と呼ぶと怒る人はいるけれど、構造の話だからね。

 80分越えで映画みたいな長さだけど特にそれ向けの構成ではないとこは若干退屈で、のそのそ進んでみえる。これはしかし、この長さにしないとあの落ちを持ってこれないので仕方がない。3話目までひっぱって衝撃のラストにしてもいいんじゃないかとおも思うが、アニメの本数も多いし、1話目で衝撃を作らないとひっぱれないのかもな。

 画面の演出とか音楽の使い方とかそういった面白さはあんまない。

 

・スキップとローファー

 べたなネタだけど快速急行って走ってない地域の人間にはマジで意味がわからないよな。少女漫画とエロゲは学校さぼり少年が大好き。

 イケメンと友達になったら輪が広がるのリアルでいいな。

 岩倉さんの芝居がかなりよい。志摩君側があまり説明的ではないのにウキウキしているのが大変よい。

 端正でよいアニメだ。

 

・U149

 めちゃくちゃ作画がいい。私はアクションでやたらカメラをぐるぐる回すのが嫌いで、リソースを誇る以外の意味がないなあとか思ってああいったものを作画がいいとは呼びたくない派なのだが、これは素晴らしい。

 とにかく所作が細かく、構図が凝っている。一つの部屋に沢山のキャラが集まっても、各々異なる所作を取り、さらにカメラ前の配置でどいつが中心かわかる。各キャラの話す前のほんの少しの間の違いまで表現されており、演出パワーでキャラがいきいき見える。デフォルメの使い方もコミカルでかわいらしい。

 特に赤城みりあが子供たちの中で比較的大人な性格で目端が利く気遣いできるキャラだというのが、彼女が周囲の反応を見て明るく提案する、ということが所作ですぐにわかるように演出されているところはかなり良い。